ごあいさつ

ご挨拶

 本センターは、本学において国際的な学術交流と留学生支援を担ってきた「留学生センター」および「国際機構」を前身とし、これらの組織が培ってきた国際連携の基盤を継承しつつ、新たな学術的枠組みを構築することを目的として設立されました。本学の国際的環境の総体的な進展を促し、日本研究および日本語教育研究の振興を図るとともに、学際的な研究と国際的学術ネットワークの形成を通じ、知の創造と交流を推進しています。
 研究においては、個別の事象の解明にとどまらず、社会・文化・歴史・言語を包括的に捉える視座を重視し、学際的なアプローチを積極的に展開しています。その一環として、本学が所在する金沢という歴史的・文化的特性を活かした「いしかわ金沢学」の構築を推進し、地域の知的資源を世界へと発信することを目指しています。教育の領域においては、研究成果の実践的な還元を重視し、「日本を通して学ぶ日本語教育」を推進しています。言語教育を文化理解と不可分のものとして捉えるこのアプローチは、多文化共修の理念に基づき、異なる文化的背景を持つ学習者が協働する場を創出し、言語運用能力のみならず、学術的素養を兼ね備えた人材の育成を促進します。さらに、学術研究の社会的意義を踏まえ、地域社会との協働にも注力しています。金沢市および北陸地域を拠点に、日本語教育を基盤とした多文化共生を推進し、地域の国際化に寄与する活動を展開しています。
 学問とは、常に時代の変遷とともに問いを深化させ、新たな知の地平を切り拓く営みです。本センターは、国際的学術ネットワークを活用しながら、日本研究の新たな潮流を創出し、学術と社会の発展に寄与することをその責務と考えています。今後とも、国内外の研究者、教育機関、地域社会との連携を一層深化させ、知の交流を推進してまいります。皆様のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

金沢大学国際日本研究教育センター長
山本 洋

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